運送業の役員法令試験を知る!

黒板に役員法令試験とは?POINT

運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可を受けるためには避けて通れない「役員法令試験」。
「法令試験」と聞いただけでとっつきにくいイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。このページでは手始めにどのような試験なのか?を知るところから始め、試験に臨む基本の考え方まで解説していきます。

役員法令試験とは?

運送業(一般貨物自動車運送事業)の新規許可を受けるには、会社の役員が国土交通省の実施する「役員法令試験」に合格しなければなりません(事業の譲渡・譲受、合併及び分割、相続の認可申請の場合も同様です)。

予め資格を持った人を雇用して配置すればよいというものでなく、必ず役員のうち一人が合格しないといけないというものですので、なかなか厄介なものです。試験の難易度も易しい部類ではないと思います。

役員法令試験 実施の経緯と目的など

実施の経緯と目的

貨物自動車運送業の役員法令試験は、過去実施されていたものが行政手続きの簡素化のため、一度廃止されていました。

ところが、平成2年法改正により規制緩和、新規参入事業者の増加などから、その後事業者の法令違反事例の増加があり、平成20年から再度実施されることになり、平成25年からは許可要件(2度目の受験に不合格の場合は申請が却下)となった、という経緯があります。

したがって、試験の目的は「事業者の法令違反行為の抑止につなげる」ということになります。

実施の根拠

法律と役所の通達(許可申請の処理方針=公示基準)で以下のように定められています。

貨物自動車運送事業法 第6条
(許可基準)その事業を自ら的確に遂行するに足る能力を有するものであること

一般/特定貨物自動車運送事業の許可申請の処理方針(国交省)

(法令遵守) 申請者又はその法人の役員は、貨物自動車運送事業の遂行に必要な法令知識を有し、かつ、その法令を遵守すること

ということが挙げられています。

役員法令試験の実施方法

試験はいつ受けるの? 場所は?

試験の時期

貨物自動車運送業の役員法令試験は、許可申請が受理された後、運輸局からの「法令試験実施通知書」に従って受験します。

試験は奇数月のみの隔月実施となっています。例えば5月に許可申請が受理されたとすると、7月の試験を受けるという形になりますので、日にちにもよりますがここで2ケ月くらい経過してしまうこともあります。

試験の場所

運輸局での実施(運輸支局ではなく)となっています。関東の場合、横浜の関東運輸局で行われます。

たくさん並んだ貨物トラック

試験はだれが受けるの?

受験者は、許可後に運送業の事業に専従する役員です。他の部門を担当する役員ではダメです。また執行役員等ではなく登記されている役員であることが必要です。

さらに、受験者は1申請に当たり1名のみとされています。

不合格だった場合は?

初回の試験に不合格の場合、翌々月に再試験が受験できます。この場合も、運輸局から試験実施通知書が届きます。

再試験に不合格となると、事業の許可申請自体が却下処分となってしまいます。申請者から許可申請を取下げることもできますが、いずれにしても、この申請で運送業の許可は下りないことになります。

ただし、運送業の許可申請自体をやり直した場合は、当然ですが初回受験から再度試験を受けることはできます。その場合は運送業に専従する役員であれば、前回と同じ人でも別の人でも構いません。

試験問題の内容や試験時間などは?

試験の出題範囲

試験問題は下記の13の法令を出題範囲として、30問出されます(設問数が30以下の場合もありますが、その場合は1問に複数回答があり、回答数合計が30個です)。

【役員法令試験の出題範囲(法令)】

  1. 貨物自動車運送事業法
  2. 貨物自動車運送事業法施行規則
  3. 貨物自動車運送事業輸送安全規則
  4. 貨物自動車運送事業報告規則
  5. 自動車事故報告規則
  6. 道路運送法
  7. 道路運送車両法
  8. 道路交通法
  9. 労働基準法
  10. 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年2月9日労働省告示第7号)
  11. 労働安全衛生法
  12. 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
  13. 下請代金支払遅延等防止法

設問形式

〇×方式と語群選択(ア~オから選ぶなど)方式です。

試験時間、合格基準

試験時間は50分で、正答数8割(正答24個)以上が合格基準です。

資料の持ち込みなど

試験には参考資料等の持ち込みはできません。試験の出題範囲となる関係法令の条文集が当日試験会場で配布されます(書き込み不可、試験終了後回収)。

条文集は各地方運輸局等のホームページで公開されています => 関東運輸局 条文集(貨物)

合格率はどのくらい?

試験の回により、運輸局により、合格率はかなり変動しますが、大まかにいうと50~70%程度です。50%を切ることもあります。

まとめ

ここまでご覧いただいたように、この役員法令試験をまとめると・・・

  • 13法令という広い出題範囲を対象に
  • 50分という短い時間で30問を回答し
  • その結果8割以上の正答が必要

というように、なかなか厳しい試験といえると思います。

条文集が配布され、これを参照しながら回答することができますが、条文集は300ページを超えるボリュームがありますので、30問を50分で回答するという点から一つ一つ調べながら回答することは、実際上無理でしょう。

とはいえ、一定の対策をしっかりしておけば合格できない試験ではありません

対策のポイントは・・・・

  • *過去問に繰り返しあたる
    ・出題の傾向がわかる
    ・繰り返し出題される重要なポイントはある程度覚えられる
  • *条文集に慣れる
    ・試験問題には、どの法令からの出題かが表示されています(関東運輸局の場合)。どの法令のどのあたりに、どのようなことが書かれているかをある程度つかんでおくことが必要です。
    ・特に、労働基準法、労働安全衛生法、独禁法、下請法は、その法律の全体理解が求められるわけではなく、運送業の事業者として理解しておいてほしいところが出題されますので、そのポイントに絞って、条文集が素早く確認できるようにしておけば、暗記していなくとも回答可能になるはずです。

過去問と条文集により、重要ポイントはある程度条文集なしで回答可能になるようにし、その上で条文集を素早く調べられる(どのあたりに何が書かれているか、をつかむ)ということができれば、合格はグッと近づくのではないでしょうか?

当事務所では、新規許可申請をご依頼いただいたお客様には、1年分の過去問と回答(関東運輸局版)と、その出題を整理したレジュメをご提供し、3時間程度のポイントレクチャーにより、役員様の試験合格と事業許可の取得のサポートを行っております。

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