運送業許可の要件早わかり【2021年版】

駐車中の2台の大型トラック

運送業の新規許可をはじめ、各種変更事項の認可・届出など、貨物自動車運送業の申請手続き全般をお手伝いしております、埼玉の行政書士・高橋です。

一般貨物自動車運送事業の許可は、ヒト・モノ・カネの3要素について要件が定められていて、許可を受けるには満たすべき要件や必要な書類が多く、申請の負荷の大きい許認可の一つといえます。
ここでは、詳細な要件の解説の前に、許可の要件や必要な書類等についての「基本」を確認していきます。

一般貨物自動車運送事業 許可のあらまし

貨物自動車運送事業法では、「一般貨物自動車運送事業」「特定貨物自動車運送事業」「貨物軽自動車運送事業」の3種類の事業を定めています。

トラック運送といえば主に一般貨物自動車運送事業のことを言います。ではその事業の許可申請について、大まかに確認していきましょう。

許可要件

一般貨物自動車運送事業は国土交通大臣の許可制で、人的要件(ヒト)、物的要件(モノ)、財産的要件(カネ)に関して定められた要件を満たさなければなりません。

ここでは大まかに許可を得るために必要な要件の概要を確認してみます。

人的要件(ヒトに関すること)

  1. 申請者や会社の役員が欠格要件に該当しないこ
     懲役などの一定の刑罰を受けた後、または貨物自動車運送事業法関連の許可取消し処分を受けた後などに一定の期間が経過していない場合など、欠格事由に該当すると許可を受けることができません
  2. 当常勤役員が法令試験に合格すること
     許可申請後、担当の常勤役員が地方運輸局が実施する法令試験に合格しなければなりません。
  3. 必要な有資格者を配置すること
     営業所ごとに、有資格者である「運行管理者」、「整備管理者」を定められた人数配置しなければなりません。
  4. 必要な人数の運転者を選任すること
     通常、トラックなどの自動車が最低5両必要で、運転者も5名以上必要になります。

*運行管理者、整備管理者、運転者は許可申請時点では実際に確保・選任済みでなくとも、確保予定で申請可能です。

ヒトに関する要件の詳細は 人的要件をくわしく をご参照ください。

役員法令試験、運行管理者、整備管理者のそれぞれの詳しい解説は下記をご参照ください。

物的要件(モノや設備に関すること)

  • 適法に設置された、使用権原のある適切な規模の営業所があること
    • 農地法や都市計画法、建築基準法などに抵触していない営業所が必要です。
  • 休憩・睡眠施設があること
    • 営業所または車庫に併設することが必要です(睡眠施設は必要な場合のみ)。
  • 営業所に併設または一定の距離内に、全車両が収容できる車庫があること
    • 原則は営業所に併設ですが、併設できない場合は一定の距離内(例:埼玉県では10㎞以内)に、一定の間隔を取って全車両が収容できる車庫を置かなければなりません。
  • 必要な数の(通常5台以上)の事業用自動車(トラックなど)があること
    • 霊柩運送など例外はありますが、通常はトラックなど5両以上が必要です。

モノに関する要件の詳細は 物的要件をくわしく をご参照ください。

農地法・都市計画法・建築基準法等に抵触しないことについては 「運送業 事業用不動産の条件とは?」に詳しく書いていますので、ご参考ください。

財産的要件(おカネに関すること)

  • 事業開始に要する資金(=所用資金)の見積り
    • 役員その他の従業員等全員の、報酬・給与、賞与、手当、法定福利費等の6か月分や、燃料・油脂費、修繕費の6か月分、車両費や設備費(営業所・車庫)は購入の場合全額、リースや賃借の場合は1年分の支払額、保険(自賠責・任意)の1年分・・・などを、指定の様式を用いて見積ります。
  • 所要資金の常時確保
    • 所要資金の全額以上が、申請日以降常時確保されていることが必要とされています。実際には、自己資金を預貯金で確保し、許可申請時に1回目の残高証明書を提出します。その後許可申請の審査が行われ、許可処分前に2回目の残高証明書の提出を行います。この2回の残高証明提出によって「常時確保」されていることが確認される仕組みです。
  • 賠償能力
    • 原則、対人賠償無制限、対物賠償200万円以上の任意保険に加入する必要があります。自賠責と任意保険料は、上記の事業開始に要する資金の見積りに算入します。

おカネに関する要件の詳細は 財産的要件をくわしく をご参照ください。所要資金の見積り方の内訳も詳しく解説しています。

必要書類(関東運輸局の場合)

以下、関東運輸局の示す申請書とその添付書類の例です(運輸局により、若干違う場合があります)。

  1. 許可申請書
  2. 事業用自動車の運行管理及び整備管理の体制、運転者を確保する計画
  3. 事業開始に要する資金及び調達方法、残高証明書
  4. 事業の用に供する施設の概要及び状況を記載した書類
    1. 付近の案内図、見取図、平面(求積図)、写真
    2. 都市計画法等関係法令に抵触しない旨の宣誓書
    3. 施設の使用権原を証する書類(不動産登記事項証明書、賃貸借契約書 等)
    4. 計画する事業用自動車の使用権原を証する書類(車検証、リース契約書 等)
    5. 車庫前面道路の幅員証明書等(前面道路が国道の場合不要)
  5. 既設法人 :定款および登記事項証明書、最近年度の貸借対照表、役員名簿・履歴書
  6. 新設法人 :定款の謄本、発起人・社員又は設立者の名簿及び履歴書
  7. 個人   :資産目録、戸籍抄本、履歴書
  8. 欠格事由に該当しない旨の宣誓書
  9. 貨物利用運送を行う場合 :利用事業者との運送に関する契約書 等
  10. 法令遵守の宣誓書

(それぞれの様式の現物(関東運輸局版)は 【一般貨物自動車運送事業の許可申請様式】 )

許可申請手続きの流れ

1.許可申請書・添付書類の提出

申請先は地方運輸局長で、書類の提出先は営業所所在地管轄の運輸支局です。例えば埼玉県で許可を得る場合、関東運輸局長あての申請書類を、埼玉運輸支局に提出します

2.運輸局における審査

標準処理期間は3~5か月とされています。書類不備等あれば補正指示があります

3.役員法令試験

許可申請書受付後の奇数月に実施され、1申請につき同一の役員が2回まで受験可能です。2回までで合格しない場合、許可申請が却下処分(または自ら取下る)となります

4.許可処分

要件を満たし、役員法令試験に合格した場合には許可処分がなされ、許可通知が運輸局から送付されます

許可通知に同封された納付書により 登録免許税12万円 を納付し、領収書を種類に貼付して運輸局に郵送します。

5.許可証の交付

運輸支局から連絡がありますので許可書の受領に行きます。その際、新規許可事業者に対する指導講習の日時が指定されるので、担当の常勤役員と運行管理者にがこれを受講します。

まとめ

以上が申請から許可書を受け取るまでの流れですが、運送業許可の場合は許可書の交付を受けてもまだ事業は開始できません。

この後も、運行管理者・整備管理者の選任届、社会保険加入、運転者教育などや、車両に緑ナンバーをつけることなど必要なことが少なくありませんし、運輸開始後に必要となる法定帳票等の整備等もこの段階で準備することが大切です。許可書を受けた後、運輸開始までのステップについては、別稿で解説していきます。

以上、一般貨物自動車運送事業の許可申請について、満たすべき要件や必要書類、手続きの概要を説明してきましたが、複雑な要件、必要な書類の多さなど、新規許可を受ける手続きの負担の大きさをお感じになったのではないでしょうか?

弊所では、新規に一般貨物自動車運送事業の許可を受けようとする事業者様が、営業開始に向け、また営業開始後の事業発展に向け事業プランの策定や実行に注力できるよう、許可要件への対応のご相談に応じつつ、必要な書類の作成、収集と申請手続きを事業者様に代わって行いますので、ご活用をご検討ください。

運送業の新規許可や各種手続きのご相談は、お気軽に下記事務所まで(初回相談無料)

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