ドライバー不足と「総合物流施策大綱」

国土交通省は6月15日、「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」が閣議決定されたと発表しました。

総合物流施策大綱とは…

これは、「政府における物流施策の指針を示し、関係省庁が連携して総合的・一体できな物流施策の推進を図る」ものです。

サブタイトルとして、
~「簡素で滑らかな物流」、「担い手にやさしい物流」、「強くてしなやかな物流」の実現に向けて~
というものを掲げています。

そして、今後の物流が目指すべき方向性を、下の 1~3 の3つとしています。

  1. 物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流の実現)
  2. 労働力不足対策と物流構造改革の推進(担い手にやさしい物流の実現)
  3. 強靱で持続可能な物流ネットワークの構築(強くてしなやかな物流の実現)

労働力不足対策と物流構造改革

3つの方向性のうち、最もドライバー不足の現状にかかわるのが、「2.労働力不足対策と物流構造改革の推進 (担い手にやさしい物流)」です。

そのうち筆頭にあげられている施策が「トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備」で、そのために「改正貨物自動車運送事業法の取り組みの浸透等」を図るとしています。

改正貨物自動車運送事業法の取り組み

貨物自動車運送事業法の改正の概要は以下の通りです。

  1. 規制の適正化
  2. 事業者が遵守すべき事項の明確化
  3. 荷主対策の深度化
  4. 標準的な運賃の告示制度の導入

上記の詳細は、国土交通省ウェブサイト https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000084.html を参照。

その他、「標準貨物自動車運送約款」の改正による待機料金等の明確化などを通して非効率を解消していくことや、ダブル連結トラック活用支援、デジタル機器活用による荷待ち時間短縮などの施策を挙げています。

 

標準的な運賃の告示制度は、その告示がコロナ禍の初期にあたり、需給バランスが悪化方向に急変したことなどから実際の運賃改定(引き上げ)の動きは大きく進展していない状況と思われます。

荷主対策の深度化という点では、長期的な視点で運送の需給ひっ迫は、荷主自身にとってもリスク要因となることから、荷主も入ったホワイト物流といった動きにより一定の進展は見られます。

このように見ていくと、持続可能な物流(特にトラック輸送)には、運賃の適正化(引き上げ)を通した、運送事業者の経営改善とドライバーの待遇改善が、根っこの問題であると思えてきます(さらに言えば、適正運賃の収受を阻む業界構造や商習慣・・・といった問題がその下部に横たわっているのでしょうが)。

私の所属する勉強会でも、「運賃引き上げの支援」という課題を取り上げて研究する機会もありますが、なかなか難しい問題であると感じます。引き続き、事業者さん支援ができるようスキルアップ、勉強を続けていきたいと思います。