古物商の許可 申請書の書き方

木箱に古い懐中時計

古物を売買、交換する営業(委託を受けて行う場合も含む)を行うには、原則として公安委員会から古物商の許可を受けなければなりません。このページでは、その許可を受ける申請に必要なこと、申請書の書き方について判りやすく説明していきます。

古物商許可が必要なケース

下記のような古物の取扱いを行う場合に、古物商の許可が必要です。

【古物商許可が必要なケースの例】

  1. 古物を買い取って売る
  2. 古物を買い取り、修理して売る
  3. 古物を買い取り、その部品を取り外して売る
  4. 古物を自身では買い取らず、委託を受けて売ったのちに手数料を受け取る
  5. 古物を別のものと交換する
  6. 古物を買い取ってレンタルする
  7. 国内で買い取った古物を海外に輸出して売る

 

古物商の許可が受けられない場合

下記に該当する場合には古物営業(古物商、古物市場主)の許可が受けられません。

  1. 破産手続開始決定を受けて復権を得ない者
  2. 禁錮以上の刑に処せられ、又は一定の犯罪により罰金の刑に処せられて、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
  3. 集団的に又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で、古物営業法施行規則で定めるものを行う恐れがあると認められる理由がある者
  4. 「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」に基づく命令又は指示を受けた日から起算して3年を経過しないもの
  5. 住居の定まらない者
  6. 古物営業の許可を取り消されて5年を経過しない者
  7. 営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者
  8. 心身の故障により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施することができない者として、古物営業法施行規則で定めるもの
  9. 法人の役員、法定代理人が上記1から4までに掲げる事項に該当するとき

(埼玉県警ホームページより)

一定の犯罪とは

許可が受けられない場合の「2」の、”一定の犯罪により罰金の刑に処せられて・・・”とあるのは下記の販売の場合が該当します。

刑法 第235条:窃盗、第247条:背任、第254条:遺失物等横領、第256条:盗品譲受

罰金刑の場合、金銭の納付が終わった日が刑の執行が終わった日になり、その日から5年間は古物営業許可が受けられません。
古物営業法が、盗品の売買防止を目的の一つにしているので、これらの犯罪歴のある場合には、やや厳しい許可条件が適用されるということになります。

執行が終わった日 とは

懲役、禁固の場合は、刑期満了により出獄(出所)した日です。

罰金刑の場合は、金銭を納付した日になります。

執行を受けることがなくなった日 とは

「禁固以上の刑に処せられ、又は一定の犯罪により罰金の刑に処せられて、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者」とありますが、執行を受けることがなくなった日とは何でしょう。

禁固以上の刑の場合で言うと

  1. 仮出獄(いわゆる仮出所)した後、仮出獄を取り消されずに残刑期を終えた日
  2. 時効の成立の日

です。

よく、執行猶予が終わった日がこれにあたり、この日から5年間許可が受けられないと考える場合が多いようですが、執行猶予はその期間を満了することとにより、刑の言い渡しそのものが失効しますので、その時点で「刑に処せられた者」でなくなります。なので、その時点から許可を受けられない場合に該当しなくなり、すぐに許可を受けることができます。恩赦(大赦・特赦)の場合も同様です。

心身の故障により・・・とは?

古物商許可が受けられない場合の一覧「8」には、「心身の故障により古物商の業務を適正に実施することができない者として、古物営業法施行規則で定めるもの」との定めが置かれています。

この点を古物営業法施行規則で確認すると、その第1条の2に、「精神機能の障害により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」がこれにあたる、と書かれています。

具体的な病気や症状、程度等は書かれていませんが、社会常識的に考えて通常の商売、商取引ができる判断力やコミュニケーション能力があれば、許可が受けられない者には当たらないと考えてよいでしょう。判断に迷う場合は、申請を受け付け審査する機関である所管警察署で相談することが必要となります。

古物商許可申請書の書き方

前の段では、古物商の許可が受けられない場合のうち、2と8について説明しました。他の項目はザっと読んで該当しないと考えられる場合はOKだと思われます。

許可が受けられない場合い該当しないことが判れば、次は必要な書類を把握して、それを作成または収集して、実際に申請する、という流れになりますが、まずは許可申請書(本体)の書き方を確認していきましょう。

許可申請書は、古物営業法施行規則で「別記様式第1号」と書かれているので、以下そのように称します。
別記様式第1号には、その1(ア)、その1(イ)、その2、その3、その4 の5枚(5ページ)ありますが、その1(イ)は法人で役員が複数いる場合、その3は主たる営業所以外に営業所を設ける場合、その4はWEBサイトを開設して取引を行う場合のみ必要です。

必要書類1 :許可申請書

(ここからは、主に埼玉県警察ホームページの内容に準拠して記して行きます)

当然ですが、まずもって必要なのは古物商許可申請書です。
埼玉県警察のホームページ掲載の申請書様式は 申請書ダウンロードページ で確認可能です。

申請書の記載事項1

新規許可申請書の様式は、別記様式第1号でその1に申請者(許可申請する個人または法人)に関する事項を記載し、その2には主たる営業所に関する事項を記載し申請します。

最初に、別記様式第1号その1の記載事項について解説します。

許可の種類

古物営業法による許可は、1号営業:古物商、2号営業:古物市場主の2種類があります(3号営業:古物競りあつせん業は「届出制」)。今ページでは「1号営業:古物商」許可について解説していますので、「1.古物商」に〇をします。

氏名・名称等の基本事項
氏名・名称

古物商許可は、個人事業主でも会社等の法人でも取得可能です。
氏名・名称は、個人なら氏名、法人ならばその名称を記入します。法人の場合はさらにその下に、株式会社、有限会社・・・等の法人の種別を選択し〇をします。個人の場合は生年月日を記入します。

住所・居所

住所・居所は、通常個人は住民登録のある住所、法人の場合は所在地です。個人の場合で、何らかの事情で住民登録した住所以外の所に生活の本拠がある場合などは、その生活の本拠の記載します(この場合、住民票と別にその居所あてに届いた公共料金の請求書等の提示・提出を求められる場合があります)。

行商を行おうとする者であるかどうかの別

ここでいう「行商」とは、「古物商が営業所以外の場所で行う古物の取引」のことで、警察庁の古物営業関係法令の解釈基準では、

  1. 自動車のセールスマン等が取引の相手方の住所又は居所において行う古物の売買
  2. 古物市場において古物商間で行う古物の取引
  3. いわゆる展示即売会における古物の売却

は、すべて行商に該当する、と例示されています。

ここで注意が必要なことがあります。古物商が「その営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所以外の場所において、買い受け、若しくは交換するため、又は売却若しくは交換の委託を受けるため、古物商以外の者から古物を受け取ること」は、古物営業法第14条第1項で禁じられているため、ここで「行商を行う」として許可を受けても、このようなことは行えません。ただし、あらかじめ日時・場所を公安委員会に届け出た仮設店舗等でこれらを行う場合は除きます。

主として取扱おうとする古物

古物営業法施行規則で定められている13区分の古物から選択し〇を付します。申請書の1ページ目(別記様式1号その1(ア))では、申請者(個人または法人)として、最も中心的に取り扱う古物区分を一つだけ選択します(後述の主たる営業所では、扱う区分を複数選択します)。
(古物の区分については、「古物営業が良くわかる」 ページの中段に解説してあります)

代表者等

申請書の1ページ目の最後の欄は代表者です。個人事業主は上記の氏名・住所と同じになるので記載不要ですが、未成年の場合は法定代理人を記載します。

法人の場合、「1.代表者」を1ページ目に記載します。複数の役員がいる法人の場合は、別記様式第1号その1(イ)を用いて、役員全員について氏名・住所等の所要事項を記載します。

申請書の記載事項2

申請書様式第1号その2は、「主たる営業所・古物市場」に関する事項です。

形態 営業所あり/なし

この欄の選択肢は「1.営業所あり 2.営業所なし 3.古物市場」ですが、このページは古物商許可に関する解説なので「3.古物市場」は除きます。

3を除くと、主たる営業所について 営業所あり or 営業所なし が選択可能と考えがちですが、現在ではほぼ間違いなく「1.営業所あり」を選択し、実態としても営業所がないと古物商許可が下りません。「行商」についての項にも書いた通り、「営業所または取引の相手方の住所もしくは居所」以外の場所での取引には制限(禁止行為)がありますし、また営業所に標識の掲示義務もあります。この点からも営業所は必須とお考え下さい。

主たる営業所の名称・所在地

主たる営業所の名称、所在地を記載します。申請者の住所または居所と同一の場合は記載不要です。
名称は任意の屋号等を設定し記載します。

営業所に関して広さその他の要件は法定されておらず、公示もされていないと思われますが、少なくとも古物営業法では取引の明細(年月日、品目・数量、古物の特徴、相手方等)を記載した帳簿を備え付けるか、電磁的記録の場合は直ちに書面にできるようにしておく義務も定められています。

このため、少なくとも上記の帳簿の作成と保管、書面化といった事務が適切行える程度の事務所が営業所として必要とされるでしょう。多くの公安委員会(警察署)では、いわゆるレンタルオフィスは許可にならないといわれています。さらに、一定程度の独立性(個室であるな・ど)を求められることも少なくないようですが、この点は公安委員会・警察署によって判断の幅が広いので、警察署での相談が必要な場合も多いです。

取扱う古物の区分

別記様式第1号その1の「主として取扱おうとする古物の区分」は、メイン取扱い区分を一つ選択しました。営業所に関する「取扱う古物の区分」は、選択する区分数の制限はありません

取扱うと書いて申請した限りは取扱わなければならない、というシバリもありませんので、取扱う可能性がある区分は対象として申請することは不可ではありません。しかし、前にも書いた通り古物営業法の目的に盗品の売買防止や発見、があります。扱う可能性のない区分もここで対象に申請してしまうと、盗難事件があった場合など警察官からの照会や来店を受けるといったことにもなりかねませんので、必要性の高い古物区分に限定して申請しておく方が良いでしょう。

管理者

古物商の営業所には、「当該営業所に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者一人を選任しなければならない」とされています(古物営業法13条)。営業所1か所につき必ず1名必要です。

管理者になれない人は、上記の「許可を受けられない場合」に記載した事項に該当する者と概ね同じです。
申請者自身(個人の場合本人、法人の場合代表者)が管理者になることは問題ありません
その他の方の場合でも、「業務を適正に実施する責任者」なので、一定の権限のある管理職等が望ましいでしょう。

古物商(個人の場合本人、法事の場合経営者)は、管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要なものとして国家公安委員会規則で定める知識、技術又は経験を得させるよう努めなければならない(古物営業法第13条第3項)とされています。

具体的には、その営業所で扱う古物が、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車の場合は、車体番号・車台番号の打刻部分の改造有無などに関してわかる程度の、概ねその古物営業に3年以上従事した者が有する知識、経験、技術が求められ、各種団体が行う講習の受講でも得ることができるものとされています。
この点は許可要件ではありませんが、自動車等を扱う場合はなるべく上記の経験等に該当する方を管理者に指定する方が、許可審査がスムーズに進むでしょう。

申請書の記載事項3

別記様式第1号その3は、許可申請に際して主たる営業所以外の営業所も設ける場合に必要になります。

記載事項は上記「申請書の記載事項2」と同様です。

管理者は、営業所1か所につき1名必要ですので、様式第1号その3に書いた主たる営業所の管理者とは別の管理者でなければなりません。

申請書の記載事項4

別記様式第1号その4は、いわゆる「URL届出書」です。古物取引のための自身のWEBサイトを開設して取引を行う場合は、「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により講習の閲覧に供する方法を用いるかどうかの別」を、「1.用いる」とし、下の「送信元識別符号」の欄に、そのURLを記載します。この方法を用いない場合は、上の欄で「2.用いない」とすればそれでOKです。

この方法を「1.用いる」としてURLを記載して申請する場合、添付書類にURLを使用する権原を証する書類が必要です。具体的にはプロバイダからの登録完了通知等です。

以上が、古物商の新規許可の要件と、所定の申請書様式及びその記載事項の説明でした。実際の申請には、所定の「添付書類」が必要になりますので、「古物商許可に必要な添付書類」のページでは添付書類の説明、取得方法と、併せて申請書に添えた申請手続きの方法等について解説していますので、ご参照ください。

<こちらのページもどうぞ>

古物営業に関する基本情報などについては  「古物営業がよくわかる

古物商許可 申請に必要な書類については  「古物商許可に必要な添付書類

まとめ

古物商許可の申請書本体は、他の許認可に比べると、記載する事項の数、申請書の枚数ともそれほどボリュームが多いものではありません。しかし、営業所の要件の例のように、申請書の記載そのものは難しくなくとも、要件などが公示されていない、または都道府県(警察)によって取扱いが違う・・・といったことも少なくなく、意外に申請書作成も戸惑う部分があるかもしれません。

そんな時、書類作成と申請は専門家に任せてしまうのも選択の一つかと思いますので、当事務所へのご依頼もご検討いただければとと思います。

 

 

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