新民法 契約不適合とは何か?契約書との関連で注意事項を解説

契約書とペンとめがね

民法改正により、瑕疵担保責任は契約不適合責任へと変更されました。瑕疵担保責任は売買契約や製造委託契約などで必ずといってよいほど用いられており、改正の影響は大きいです。今回は、契約不適合責任の内容や契約書を作成するうえので注意点を解説します。

契約不適合責任とは

まずは、契約不適合責任の内容を解説します。特に買主側 は改正の影響が大きいため注意が必要です。

契約不適合責任=「契約の内容に適合しないもの」を引き渡したことの責任

契約不適合責任は、「数量」「種類」「品質」について契約に内容に適合しないものを納品したときに売主側に発生する責任です。「契約の内容に適合」しているか否かは、当事者間でどのような取り決めがなされていたかにより判断されます。

買主の権利行使方法は4つ

  1. 履行追完請求
    目的物の修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しのいずれかの方法で追完請求が可能です。追完方法は買主が選択できます。
  2. 代金減額請求
    目的物の代金の減額を請求できます。代金減額請求を行うためには、先に①の履行追完の催告を行う必要があります。もっとも、買主が催告しても売主が追完をする見込みが無い場合、催告は不要です。
  3. 契約の解除
    売主と締結した契約を解除できます。解除により、買主は代金を支払わずに済みます。解除を行うためにも先に①の催告を行う必要があります。
  4. 損害賠償請求
    契約に適合しない物を引き渡されたことによる損害の賠償を請求できます。損害賠償請求を行うためには、①~③と異なり、売主側に帰責事由があることが必要です。

権利行使の期間が制限される場合がある。

前述の通り、買主は4つの方法で権利行使が可能です。しかし、引き渡された後も未来永劫権利行使ができるわけではありません。「数量」「種類」「品質」の契約不適合責任のうち、「種類」と「品質」については、目的物の種類又は品質が契約の内容に適合しないことを知ってから1年以内に売主に通知しなければ、買主は権利行使できなくなってしまいます。

また、商人間の売買では、検査を行い不適合発見後遅滞なく通知しなければならないケースもあります。買主は自分の権利を失わないよう、納品物のチェックは入念に行いましょう。

なお、ここで要求される通知は、詳細なものでなく、契約不適合の内容を把握できる程度に不適合の内容や範囲を伝えれば足ります。旧民法では1年以内に「請求」しなければなりませんでしたが、「通知」となったことで買主の権利行使のハードルが下がりました。

契約書との関連で注意すべき事項

次に、瑕疵担保責任から契約不適合責任への変更を受けて、契約書の記載方法について注意すべき事項を解説します。

「瑕疵」「瑕疵担保」といった文言を使用しない

契約書に「瑕疵」や「瑕疵担保」などの文言が記載されている場合、契約不適合責任との区別があいまいになってしまいます。民法上の契約不適合責任とは別の責任を規定したのか、改正に関係なく瑕疵担保責任=契約不適合責任とする趣旨なのか、当事者間で解釈に齟齬が生じる可能性があるため、「瑕疵」「瑕疵担保」の文言の使用は控えましょう。

目的物の種類、品質、数量を明確に定める

契約不適合責任の発生の有無は契約でどのような定めをしたかによります。取引を円滑に進め、後々の紛争を予防するためにも、目的物の種類、品質、数量は具体的かつ誤解の生じないよう明記しましょう。

まとめ

今回は、契約不適合責任の内容や契約書関連での注意点を解説しました。契約不適合責任は、いろいろな契約で用いられる概念です。よく理解せずに契約を結んでしまうと、不測の損害を被ったり行使できる権利を行使できなくなったりしてしまいます。契約を締結する際はこの記事を参考にしてみてください。

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