古物商許可の申請@某警察署・・・「ん?」

古くからの友人からご依頼をいただき、
埼玉からI県U警察署に古物商の許可申請に行ってきました。

知事の行う許認可は、都道府県ごとにいろいろな違い(ローカルルール)
があるといわれますが、警察の取扱う許認可は、それ以上に警察署ごとの
取扱いの違いがあるというように言われるようです。

そんな警察署の取扱う許認可の一つである古物商許可申請で
「ん?」と思う体験をさせていただいたので、レポートしたいと思います。

今回の古物商許可申請は・・・

今回の古物商許可申請は、法人の申請でしたが
1人会社なので住民票や身分証明書、略歴書も各1通で済み、
個人申請と必要な書類の数はあまり変わりませんでした。
また遠隔だったので住民票等も申請者ご本人に取得していただきました。

それでも、一応行政書士が報酬をいただいて書類作成と申請書提出を行うので
それなりにI県警本部のホームページも確認して書類の取り揃えから取り掛かりました。

数人規模で経営している会社が古物商を行う場合
多くは代表者や役員が営業所の管理者を兼ねることになると思いますが、
役員が管理者を兼ねる場合でも、誓約書は役員の立場と管理者のそれぞれの
立場で提出することを求められることが多いと思います(例:警視庁の場合)。

ところが、I県警の場合本部のホームページ

「(※)誓約書は、個人許可申請者が管理者を兼ねる場合は管理者用のみ
法人許可申請で代表者や役員の中に営業所の管理者を兼ねる者がいる場合は
その者については管理者用のみで結構です。」
 https://www.pref.ibaraki.jp/kenkei/a06_shinsei/secondhand_article/application.html

とはっきりと書いてあったのです。

誓約書が足りねぇっぺよ・・・・って、「ん?」

古物商許可の「誓約書」とは

古物商許可における誓約書は、法人の役員用が8項目、管理者用が9項目
について該当しないことを誓約する内容ですが、
管理者用のみ「未成年」に該当しないことを求めており
それ以外の8項目は共通する内容となっています。

未成年者でも許可はとれる(法定代理にの同意は必要)のですが、
営業所の「管理者」には未成年者はなることができない、のです。

それなので、管理者の誓約書が提出できる人は、古物商許可の欠格要件に
該当しないので、申請者本人(個人の場合)や、邦人役員用の誓約書は
なくても、管理者用で要件の確認には足りる
ことになります。

したがって、冗長な書類提出を求めないI県警ホームページの案内は、
住民負担を少しでも軽減しようという現在の流れにあっているといえますし
合理的なものだと思います。

以上のようなことから、今回私はご依頼者さんに
「誓約書は1枚でいいですよ。ただし”管理者用”が必要なので間違わないでくださいネ」
と念を押しておりました。

いざ、申請窓口へ

さて、申請窓口はU警察所の「生活安全課」です。
廊下に「許可事務 :銃刀法・風俗営業・古物営業・その他」と看板が出ており、
迷うことはありません。
U警察生安課・・・が、ドアをあけてみると先客を受付、取り扱い中の模様。

廊下でしばし待機、15分程度で当方の番になりました。
実は現地でのアシがなかったので申請者ご本人の車にのせてもらってきたので、
窓口には本人と代理人である私の二人で行きました。
(この場合、代理人は要らないとも言えますが・・・)。

書類を提出すると係官さんは、「会社は東京?」「古物やるのはU市内?」
…などと、読めばわかる事をイチイチお尋ねになります。

それから、「道具商って何扱うの?家具?、あんまり売れねぇんだよな」などと
ご親切にご指摘してくださいます。
余計なお世話だいっ!とノドまで出かかりますが、ぐっと飲みこみます。
こんなやり取りの後、目が点の一言が係官さんから発せられました。

役員用の誓約書がないよ!

書類を確認していった係官さん、おもむろに

「誓約書はもう一枚、役員用がなきゃダメだよ」と。

私「県警のホームページに、管理者用だけでいいって書いてありました。
その下にあった本部の電話番号にも電話して確認したんですけど・・・・」

係官さん「電話したって、ダレに聞いた?ダレだかわかんね?
役員用と管理者用はそれぞれ必要だって、決まってんだから
ホームページに書いてあるとか言ってもダメなんだぁ」と。

ここで私はスマホで該当ホームページを見せようとしましたが、
相手の言い分を柔らかアタマで聞いてくれそうな雰囲気に乏しい係官さんの雰囲気に押され、
返す言葉をグッと飲んで一旦退出、
ご依頼者さんの自宅にとって返し、役員用の誓約書を作成、再度窓口に行きました。

再受付窓口では・・・・

役員用誓約書をそろえて再度申請書類を提出すると、くだんの係官さんは
ホームページは見たけど、あればよっぽどの場合はそれでもいいっていう意味で
普通は昔から両方の誓約書がいることになってるんだよ
」とのこと。

人間素直さが重要ですヨ!・・・というコトバもぐっと飲みこんだ私。
これでこの日3回目のコトバの飲み込みで、おなかが膨れそうでした。

申請完了・・・・

書類不足については、ご本人に印鑑を持参してもらっておけば
その場で対応できたはずだったなど、私としても反省すべき点がありました。

とはいえ、ホームページはその場で確認が可能だったはずなので、
係官さんの対応も万全だったとは言えないでしょう。

そして、さらにこの係官さんの落ち度ではないと思われる点として
県警ホームページにも、受付窓口付近にも何ら案内されていない
「納付書」というものの提出を要求されるということもありました。

これには押印が求められましたので、そうであれば事前に必要書類としてわかるように
しておくことが市民に対しても必要だと思いますし、
受付側である警察署の職員の方にとっても効率的に受付事務を処理するために
必要なことだと思います。

また、「行政から許可を受ける」ということ自体が多少なりとも
「お上のお許しを受けるシモジモの私たち・・・・」
という図式を意識させるところもあったかもしれません。

この点は公務員の皆さんだけでなく市民の側の意識も変えていく必要がありそうです。

行政手続きの簡素化・・・は、市民のためでもあり、行政自身の効率化のためでもあると思います。
最近は行政のデジタル化の遅れが大きな話題になり、わけてもハンコ廃止の議論に関心が
集まりがちですが、デジタルやハンコの話だけでないところに行政の皆さんも市民も幅広く目を
向けておくことも必要ではないか、と感じました
(ちょっと話を広げすぎカモ?・・・ですが)。

今回はつれずれなるままに書いてみました。上記のような場面も乗り越えて確実な許可取得のお手伝いと行います。古物商許可の取得をお考えの方は、ぜひお気軽にお問合せ下さい。

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