生産緑地 2022年問題とは (Vol.1)

稲穂実る田と村

2022年問題をご存知ですか?

XX年問題・・・にもいろいろありますが、近い将来その時期が来るものとして、「2022問題」があります。

2022年問題とは、大都市とその近郊で宅地価格が暴落するかもしれないと危惧される問題です。なぜ、この年に宅地価格の暴落が起こるのでしょうか?それは、生産緑地という農地が一斉に売りに出されて宅地が供給過剰にって価格が大きく下がるのではないかという懸念があるからです(現状では正確には「懸念があったから…」となるかもしれません)。

”農地”が一斉に売りに出されるとなぜ”宅地”が暴落するか?この疑問に答えるには「生産緑地」とは何かを知っていただかなければなりません。

2022年問題は2017年ころまでは経済誌やビジネス誌の特集に取り上げられることも多かったですが、ここ最近、問題の年が近づいてきた割にはあまり関心が高まっていないようです。これには国も政策的に対応策を打ち、価格暴落の懸念が薄らいできているということがあると思われます。




続いて生産緑地とは何かについて見ていきましょう。

生産緑地とは何か?

生産緑地とは、大都市圏の市街化区域にある農地を都市計画により「保全すべき農地」と「宅地化すべき農地」に区分したもののうち、前者の「保全すべき農地」として生産緑地法に基づき指定されたものをいいます。

市街化を抑制する市街化調整区域とは異なり、市街化区域は基本的には宅地化・市街化を進める区域です。しかし、高度成長期を通して大都市圏では市街化が進展し、緑の少ない街並みも多くなりました。そこで、都市近郊に残っている農地を、良好な生活環境を確保するための「緑地」として保全することとしたのです。農地として生産を継続しながら緑地としても活かす、ということで「生産緑地」と言われます。

根拠となる生産緑地法は昭和49年に施行されていますが、平成3年に改正され平成4年(1992年)に施行された改正生産緑地法により生産緑地地区(※1)の土地利用制限強化が図られ、同時に税制改正によって地区内の農地の固定資産税の農地課税、相続税の納税猶予といった措置が講じられたことが、現在言われる2022年問題につながっていきます

※1生産緑地地区=市街化区域内の農地等で一定の条件に一団のものを区域として都市計画に定めたもの。生産緑地はその中に含まれる土地および森林のこと。

生産緑地法施行から平成4年の改正まで

昭和49年の生産緑地法施行後、生産緑地の指定は農地所有者からの申請によって行われていましたが、農家のメリットがあまりなく、生産緑地指定の申請はごく少数にとどまっていました。

高度成長期からバブル経済の崩壊まで、日本では土地は基本的に値上がりするものと考えられており、特に三大都市圏などでは地価暴騰といわれる状況がありました。またこの時期、経済発展に伴って急激な都市化が進み、大都市の住環境は悪化していきました。すなわち、大都市圏では宅地供給を増やすことと、良好な都市環境の維持のため緑地・農地を維持することという、相反するニーズを調和的に実現する必要に迫られていました。

このような状況の中で、生産緑地法の改正(平成4年)と関連税制も改定が行われ、一般都市農地の宅地並み課税が実質的に進められて宅地への転換が図られるとともに、生産緑地指定を受けた農地には農地課税と相続税・贈与税の納税猶予が適用され保全が図られることとなりました。

生産緑地は税制上のメリットがある反面、営農義務が課されたり住宅等の建築禁止など制限を受ける期間が、それ以前の5年または10年から、平成4年の法改正により30年間に改められました

このようにして、それまでごく少数だった生産緑地が平成4年の改正法施行とともに一気に拡大しました。この時(平成4年=1992年)に指定を受けた生産緑地は、指定後30年経過後に市区町村長に対して買取申請ができることとされており、1992年から30年後である2022年に生産緑地が一斉に宅地として放出されるのではないかという懸念が生まれ、2022年問題と呼ばれるようになったのです。 (・・・続く)

・・・次回は、生産緑地の現状や、そのメリット・デメリットなどを見ていきたいと思います。

 

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